麻生専門学校グループ

■導入研修「仲間意識の醸成」

2017.10.18

チームワークを学ぶ「マシュマロ・チャレンジ」

 

 開講式を終え、午後からはオリエンテーションとして「チームワークとは何か」を学ぶ演習形式のプログラムを実施しました。学校・学科を越えて集まった5期生たちが取り組むのは、「マシュマロ・チャレンジ」と呼ばれるビジネスゲーム。新入社員研修や若手社員のコミュニケーション研修として、世界的に取り入れられているゲームで、GCBⅢ5期生としての仲間意識やチームワークの重要性について学ぶことが目的です。

 

 まず、マシュマロ・チャレンジのルールをご説明しましょう。プレイヤーは4~5人のチームに分かれて作業をします。各チームに配られるのは以下のアイテムです。

 

 ◎マシュマロ……1個

 ◎パスタ(乾麺)……20本

 ◎ひも……90㎝

 ◎マスキングテープ……90㎝

 ◎ハサミ……1個

 

 チームで協力し、これらの材料だけを使って、できるだけ高いタワーを作ることを目標とします。パスタ、ひも、テープは切っても折ってもOK。制限時間は作戦タイムを含めて18分です。

 

 タワーは自立すること、そしてどこかに必ずマシュマロを取り付けることが条件。立っているタワーの底からマシュマロまでの垂直距離を測り、これを各チームの記録とします。(ちなみに世界記録は99㎝です。)

 

 

「KPT法」で自分たちの取り組みを振り返る

 

 短時間で高いタワーを作るためにはチームでの協力が不可欠です。そのために5分間のコミュニケーションタイムを設け、お互いの自己紹介やチーム名を考えてもらいました。

 

 チャレンジは2回行います。まずは1回目がスタート。時間をかけてタワーの構造を話し合うチーム、とりあえずパスタを組み立て始めるチームなど、取り組み方はさまざまです。

 

 結果は、60㎝を超えるタワーを作ったチームから、倒壊してしまったチームまで、悲喜こもごも。1回目の経験を踏まえ、反省点を共有したうえで、2回目のチャレンジをスタートします。

 

 2回目の共同作業では、1回目より記録を伸ばしたチームもあれば、反対に記録を落としてしまったチームもありました。それには必ず原因があり、「KPT法」を用いて振り返りを行いました。

 

◎K/Keep……よかった点、続けるべき点

◎P/Problem……悪かった点、失敗した点

◎T/Try……次はどうするべきか

 

 チーム毎に話し合った結果、

 

「1回目が成功して2回目は調子に乗ってしまった。丁寧さを欠いていた」
「意見を出し合いながら、ミスがあってもポジティブにできたことが記録につながった」
「役割分担をしたので作業効率がよく、常に全員が作業する体制ができていた」
「タワーの構造自体に改善点があった」
「タワーの見た目をよくする工夫も必要だ」
「チームワークがよく、それぞれの意見を否定せずにアイデアを出し合えた」
「時間配分がうまくいかなかった。ミーティングを怠らないようにしたい」


 ――など、まさにチームワークの本質に気づいてくれたようです。 

 

 

グループとチームの違いは「相乗効果」の有無

 

 ゲームの目標は高いタワーを作ることでしたが、学びの目的は別のところにあります。学生たちに理解してほしいのは、グループとチームは違う、ということです。

 

 グループというのは、構成する人数分の力が何らかの結果につながる集団を指しますが、チームは共通した目的・目標を達成するためにその人数以上の力が発揮され、成果を上げる人々の集まりを言います。よって、抜群のチームワークで生まれるのが、グループには見られない相乗効果(シナジー効果)なのです。

 

よいチームワークには、5つのポイントが必要とされています。

 

1.明確な目標

2.役割分担

3.自律

4.情報共有

5.実行力

 

 これらを実行するためには、自分で「考え、伝える力」、「他者の意見を尊重(批判しない)する力」、そして全体を「まとめる力」が重要となってきます。中でも相互尊重はとても大切で、“ブレーンストーミング(批判しない)”という会議のスタイルが企業等で多く用いられるのもチームの相乗効果を生み出す目的の一つなのでしょう。

 

 より高いタワーを作るという目標のもと、メンバーがそれぞれ役割分担し、一人ひとりが積極的に参加(自律)、お互いに情報を共有し、議論をして意見をまとめながら実行していくという作業を、学生たちはこのゲームで体現することができました。

 

 これらの要素は、今後のGCBⅢプログラムにおいて、多くの場面で必要となってきます。わずか時間でしたが、導入研修の中たくさんの学びがありました。