2017.10.17
前回に続いて、GCBⅢ開講式(第5期)の模様をお伝えします。
麻生泰塾長の基調講話に続き、GCBⅢ担当教職員の紹介とプログラムの目的が説明された後、4期生の学生(2名)が5期生にエールを送りました。“先輩”に当たる彼らの言葉は、5期生の心にどのように響いたのでしょう。
これからGCBⅢを受講するみなさんに、4期生の先輩としてアドバイスを送りたいと思います。何より言いたいのは、楽しんでGCBⅢプログラムを受講してほしいということ。一つ一つが本当にすばらしいプログラムですから、多少の無理をしてでも皆勤するべきだと思います。私の自宅は福岡県行橋市にあり、往復2時間をかけて通いましたが、休まず受講して心からよかったと思っています。
昨年、今日の皆さんと同じように第4期の開講式に出席した私は、集まった仲間たちの意識の高さに驚き、同時に焦りを感じました。何とか彼らに追いつき、追い越したいと考え、一つの目標を立てました。それは、GCBⅢの毎回の講義で必ず質問をするということです。具体的な目標を持つことがモチベーションのアップに繋がり、「質問する」という実践の中で、同時にインプットとアウトプットの力を養うことができました。
誰よりもたくさん失敗しましたが、プログラムで得たものはそれ以上に大きかったと感じています。何より大きかったのは、たくさんの出会いがあったことでした。講師の先生方、担当の先生方、そして4期生の仲間たち。先生方にはリーダーとして必要なこと、人生に必要なことの多くを学びました。そして専門分野も考え方も異なる仲間たちとの交流により、私自身の見聞を広めることができました。みなさんにもぜひ同じようなすばらしい経験をしてほしいと願っています。
私は大学に2年間通った後、キャビンアテンダント(CA)になることをめざして麻生に入学しました。
GCBⅢで学んだことは、2つあります。1つ目は、周りの人たちや環境への感謝の気持ちです。土木関連企業で責任者として活躍されている方のご講演を拝聴したとき、自分が当たり前のように歩いている道路も、こうした方々のおかげで整備され、“安全・安心”が維持されていることに気づきました。そういう恵まれた環境にいることに、自分の感性が働いていなかったことを痛感しました。GCBⅢではこのような気づきを得ることが多く、自分の行動の幅が広がり、考える力が深まったと思います。
2つ目は、志を持ち続けることの大切さです。「萩往還」というプログラムでは、萩の町を30キロ歩き、吉田松陰の志を学びます。この学びを通じて、志とは「どういう人間でありたいか」を常に持ち続けることだと知りました。就職活動においても、入社がゴールではなく、その先に自分がどういう人材になって社会に貢献するかが大切だ、と考えて臨むことができました。
そして、スカイマークへの入社が内定しました。今後の目標は、CAとして日本のおもてなしを日本や海外の人に伝えることです。さらに将来は、女性管理職になりたいと考えています。スカイマークは女性の管理職登用に力を入れている会社ですから、女性らしい柔軟なアイデア、新しい視点からのアイデアを積極的に提案していけたらと思っています。
GCBⅢでは、数多くの貴重な体験をすることができます。自分が変われるチャンスもたくさんありますので、仲間たちと協力して、自分からチャンスをつかみにいってください。
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沖永さんは行橋の自宅からGCBⅢに通い続け、どんなに公務員試験の勉強が忙しくても、一度もプログラムを休みませんでした。早朝から集合しなければいけないプログラムでは、福岡市の友人の家に泊めてもらって参加しました。できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを常に考えている人です。
矢野さんはプログラムを通じて、自分が何気なく歩いている道路を整備、維持するために、どれだけの人が、どれだけのエネルギーを費やしているかなどの気づきを得ました。当たり前のように存在する物事が、本当は当たり前ではないという感覚を持つことが大切で、それが感謝なのだと話しました。きっとすばらしいCAとして航空業界の人財になっていくことでしょう。
開講式当日は、GCBⅢプログラムを運営する上で中心的な役割を果たしている、麻生専門学校グループ理事・統括本部長の林宏治先生にもお話を聞くことができました。以下、お話の概要をご紹介します。
麻生専門学校グループでは、高度な専門教育に加えて、人間力を高め、人格の成長を図るという教育理念を掲げています。こうした“人間教育”を推し進めるためにGCBプログラムが開発され、基礎となるGCBⅠ・Ⅱは学生全員が受講、さらに将来のリーダーを目指す士気の高い学生たちを対象に生まれたのがGCBⅢです。
本プログラムで重視したのは、まず地元を理解するということです。自分たちの学校の母体である麻生グループについても学びますし、地元で活躍するリーダー(経営者)たちの価値観や考え方、貴重な経験談もご本人たちから直接話してもらいます。成功した人は、共通して社会のために“何をすべきか”を考えていますから、そういう方々の話を聞くことで、学生たちの考え方は大きく変わっていきます。
もう一つは、グローバル人材になるために、海外から日本を見るということです。1期生はベトナムへ、2期生からはタイへ研修に行っていますが、アジア各国の都市は今、驚異的なスピードで発展しています。熱気に満ちたアジアから日本を見ると、清潔で安全ではあるけれども発展速度は鈍化した日本の現状を肌で感じ取ることができると思います。
多くの人の話を聞き、そして海外で実感したことを踏まえ、これからの日本のために何ができるのか、自分の志をもう一度見つめてみようというプログラムが「萩往還」です。萩往還では30キロを踏破する行程を通じて、目標を持って行動すること、途中であきらめないこと、何があっても「できない理由」を作らないこと――などを総合的に学んでいきます。
社会は今、類を見ないスピードで変化しています。その中で、私たちは前例等が存在しない課題に試行錯誤しながら答えを見出していかねばなりません。豊富な知識と思考力、そして行動に移す勇気が求められるのです。GCBⅢプログラムを通じて、自ら学び、自ら考え、自ら行動するリーダーを育成していきたい。今年の5期生たちには、先輩たちに負けない明るさ、元気の良さ、積極性が感じられます。彼らがどれだけ成長していくのか、今から楽しみにしています。